糖尿病治療にかかるお金について
糖尿病治療にかかるお金
今回は医療費についてです。
糖尿病で食事療法、運動療法のみで良好なコントロールを維持されている方はそれほど治療費に負担を感じないかもしれません。
しかし内服薬や注射製剤を始めると、それだけかかる医療費も増えていきます。
糖尿病は長く付き合っていく病気のため、長期間で考えてみると大きな負担となります。
お金がかかるからと言って治療をやめてしまったり自己判断で薬を調節したりすると十分な治療効果が得られず合併症が出現したり、悪化するかもしれません。
合併症があるとさらに医療費がかかります。
合併症にかかる医療費
例えば合併症のない糖尿病の医療費を1とした場合:
・心筋梗塞や狭心症の併発時の医療費は約2倍
・脳梗塞、脳出血などの脳血管障害の医療費は3倍以上
にもなると言われています。
早期からきちんと治療に取り組み、合併症の発症と悪化を防ぐことが一番の節約につながります。
「お金のことを心配しているなんてなんだか恥ずかしい」と思われる方もいるかもしれませんが、
とても大切なことですし、
実は多くの糖尿病患者さんが糖尿病治療費を負担に感じているのです。
糖尿病治療の中断についての研究では治療中断の理由の上位に経済的な理由が挙げられています。
根気強い治療が必要な糖尿病と歩む患者さんにとっては見過ごせない問題です。
医師や医療スタッフはこうしたお悩みを感じているのであれば相談してほしいと考えています。
医療費控除
一定額以上の医療費がかかった場合に医療費が控除される制度があります。
- 高額療養費制度
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医療機関や薬局で支払った医療費が高額で、ひと月の上限額を超えた場合、その分のお金が戻ってくる制度です。
(ご自身で払わなければならない医療費の上限額は、年齢や所得によって決まります。) - 医療費控除制度
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1年間に支払った医療費を確定申告時に提出することで、所得税や住民税から医療費を控除できます。生計を一緒にする家族にかかった医療費の合計が対象となります。
(控除の金額は、確定申告をされる方の所得によって決まります。)
同じグループののみ薬やインスリンで薬価を考慮した薬剤の変更を一緒に考えることも可能です。
遠慮なく相談してください!