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便秘

便が出ない(便秘)

便意があるのに便が出ない状態、いわゆる便秘に悩む人は少なくありません。厚生労働省の調査によれば日本人の約3.6%が便秘を自覚しており、65歳以上では約7.1%に上るとの報告があります。

特に女性に多く見られ、加齢とともに増加する傾向があります。なお、便秘とは単に「毎日お通じがない」状態だけを指すのではありません。例えば以下のような症状が続く場合は慢性的な便秘と考えられます。

  • 3日以上排便がない
  • 強くいきまないと排便できない
  • 便が硬く、排便時に肛門部に痛みを感じる
  • 排便後も便が残っている感じがする

1週間の排便回数が3回未満であれば「排便回数減少型」の便秘であり、腸内に便が長時間とどまると水分が抜けて硬くなるため排便がより困難になります。

一方、毎日排便があっても少量しか出ない、あるいはスムーズに出し切れない場合は「排便困難型」の便秘に分類され、便秘に悩む方の2~3割がこのタイプに該当するとされます。

このように便が十分に出せない状態全般を便秘と呼び、日常生活の質を大きく損ねるだけでなく、放置すると様々な問題を引き起こす可能性があります。

よくある原因

便秘の原因は人によって様々ですが、大きく機能性の便秘(一次性便秘)と器質性の便秘(二次性便秘)に分けられます。機能性便秘は腸自体に明らかな病変がないにもかかわらず起こるもので、生活習慣や食事内容、ストレスなどが関与します。

典型的なのは後述する「直腸性」「弛緩性」「痙攣性」などの慢性便秘で、日本人では20人に1人(約5%)が該当するとされています。

一方、器質性便秘は大腸がんや腸の狭窄など明確な病気が原因で腸管が物理的にふさがれて起こる便秘です。例えば大腸がんによる便秘は命に関わる可能性があり、早期発見・治療が何より重要です。

また、糖尿病や甲状腺機能低下症といった全身の病気や、一部の薬剤の副作用によって便秘が生じる場合もあります。このような病気が潜む便秘では専門的な治療が必要ですが、生活習慣が影響する機能性便秘であればご自身での対策もある程度可能です。

症状のタイプ分類

機能性便秘は症状の現れ方によっていくつかのタイプに分類されます。その代表的なものが次の3タイプです。

直腸性便秘(出口で止まるタイプ)

便が直腸まで達しているのに「出したいのに出せない」状態になるタイプです。本来であれば便が直腸に来ると便意が起こり排便反射が働きますが、直腸性便秘では便意の感覚が鈍く、排便してもまだ残っている感じ(残便感)が強いことが特徴です。

また、肛門付近で便が硬くなりすぎて便が出口で引っかかってしまうことも多く、まさに「便が出かかっているのに出ない」状態になります。

このタイプは便意を我慢する習慣がある人に起こりやすく、便意を感じる直腸の神経が鈍ってしまうことが一因です。また、痔による痛みを避けるため無意識に排便を我慢してしまい、便が直腸に蓄積することで悪化するケースもあります

弛緩性便秘(腸の動きが遅いタイプ)

大腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)が低下し、腸の内容物が停滞してしまうタイプです。女性や高齢者に多く、お腹の張りや食欲低下、肌荒れなどを伴うこともあります。

腸の動きが悪いために食べたものが大腸内に長く留まり、水分が過剰に吸収されて便が硬くなります。その結果、ウサギの糞のようなコロコロと硬い便になったり、腹痛の原因になったり、硬い便が肛門を傷つけて出血してしまうこともあります。

運動不足や水分・食物繊維の不足、筋力低下、無理なダイエットなどがこのタイプの便秘を引き起こす要因です。

痙攣性便秘(ストレスで腸が緊張するタイプ)

ストレスなどで自律神経のバランスが乱れ、大腸が過度に緊張・けいれんしてしまうタイプです。

腸の動きが不規則になり、便がうまく先へ送られず、小さくコロコロとした硬い便しか出なくなります。ときに強い腹痛を伴い、便秘と下痢を繰り返すこともあります。過敏性腸症候群(IBS)の便秘型では典型的にこの症状がみられます。

若い世代に比較的多く、環境の変化や緊張など精神的ストレスが誘因となることが知られています。

放置するリスク

便秘を軽く考えて放置することは非常に危険です。慢性的な便秘がある人は死亡率が高くなることが研究で明らかになっており、たとえ命に関わらなくても心筋梗塞や脳卒中など重大な病気を発症しやすい傾向が報告されています。

便秘による強いいきみは血圧の急上昇を招き、心血管イベントのリスク要因になると考えられています。また、便秘を放置すると痔(いぼ痔)や裂肛(切れ痔)を発症・悪化させる原因にもなります。

硬い便を排出する際に肛門が裂けて出血したり、痔核が腫れて激しい痛みを生じることがあります。実際、便秘持ちの方は痔を併発するケースが多く、便秘と痔がお互いを悪化させる悪循環に陥ることも少なくありません。また、過度の下剤乱用によって腸の動きが麻痺し、手術が必要なほど重度の便秘になってしまった例も報告されています。このように便秘を放置することは多くのリスクを伴うため、早めに適切な対策を講じることが重要です。

医療機関を受診すべきサイン

  • 血便や激しい腹痛
    • 便秘に加えて鮮血が混じる、あるいは耐え難い腹痛や吐き気を伴う場合、腸閉塞や腸炎など重篤な疾患が隠れている可能性があります。これらは緊急の対応が必要です。
  • 急激な便通異常の悪化
    • 今までお通じに問題がなかった人が、数ヶ月~1年以内に急に便秘がちになった場合は注意が必要です。特に中高年以降でこうした変化があれば大腸がんなどの可能性も否定できません。
  • 体重減少や貧血を伴う場合
    • 便秘に加え原因不明の体重減少や慢性的な貧血がみられる場合、大腸の腫瘍性病変が疑われます。早めに消化器科で検査を受けましょう。
  • 市販薬に頼らないと排便できない
    • 下剤なしでは排便できない、あるいは下剤の効果が以前より落ちてきて量が増えている場合も、自己判断を続けるのは危険です。医師に相談し、根本的な対策を講じる必要があります。

以上のようなサインがある場合には迷わず医療機関を受診しましょう。

幸い深刻な異常がなければ、症状やタイプに合わせた適切な薬物療法や生活指導によって便秘の改善が期待できます。当院は新宿駅南口から徒歩0分という便利な立地にあり、診療後にそのまま院内で処方薬を受け取れるため治療開始までがスムーズです。忙しいビジネスパーソンでも立ち寄りやすい医療機関を活用し、早めにケアを受けましょう。