皮膚科
当院の皮膚科ではニキビや湿疹、その他病院に行くほどではないと思われるような小さな皮膚の病気についてもご相談に乗らせていただいております。今使っている薬が追加で欲しいけどなかなか病院に行く暇がない、引っ越したので新しい皮膚科かかりつけクリニックを見つけたい、など何でもご相談ください。
皮膚科専門医による診療を受けられる「皮膚科専門外来」も併設しております。
※尚、曜日によっては内科医による皮膚科診療となる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
皮膚科領域で最も多くみられる湿疹について
湿疹とは
皮膚の表面に起きる炎症が「湿疹」です。湿疹を起こす要因は大きく「外的要因」と「内的要因」に分けられます。それぞれ以下のような具体例が挙げられます。
■外的要因…薬剤、化学物質、アレルゲン、物理的刺激、虫、金属、日光、細菌、カビ、ストレス、気候 など
■内的要因…アレルギー体質、アトピー素因、内臓疾患、皮膚のバリア機能の低下、皮脂 など
また、湿疹は症状が続いている期間によって、「急性湿疹」と「慢性湿疹」に分けられます。
■急性湿疹
出始めてから数時間〜数日以内の湿疹。自然によくなることもあるが、適切な治療を施さないと慢性化してしまうものもある。
■慢性湿疹
患部が硬くなり、乾燥してゴワゴワした状態になる。急性湿疹に比べ、治るまでに時間を要する。
湿疹の症状とは
湿疹の症状は、強いかゆみと皮膚表面の変化です。 湿疹といっても幅広く、いろいろな種類がありますが、「よくある湿疹」をいくつか説明していきます。
接触性皮膚炎(せっしょくせいひふえん)/かぶれ
皮膚に何らかの原因物質が触れることで生じる湿疹で、赤くなったり、腫れたり、水ぶくれのようになったります。一般的にかゆみを伴います。基本的には、原因物質が触れた部分に湿疹を認めます。接触性皮膚炎は、触れた物質の刺激が強いために生じる「刺激性皮膚炎」、触れた物質にアレルギーがあるために生じる「アレルギー性皮膚炎」、紫外線によって生じる「光接触性皮膚炎」に分類されます。原因物質となりうるものは多岐にわたります。炎症やかゆみを抑えるために、ステロイド外用薬やかゆみ止めの内服の使用も効果的です。
アトピー性皮膚炎
皮膚のバリア機能が低下することによって、外からのさまざまな刺激で皮膚の炎症が起き、赤くなったり、小さいブツブツとした発疹やかさぶたができたり、カサカサになったり、といったかゆみを伴う湿疹がアトピー性皮膚炎です。アトピー性皮膚炎を発症する方は、アトピー素因を持つことが多く、アトピー性皮膚炎が疑われる場合、血液検査をします。アトピー素因とは、ダニ、ハウスダスト、花粉、食事などに対するアレルギー反応で、ある程度遺伝するといわれています。また、アトピー性皮膚炎を悪化させる要因としては、細菌、ダニ・カビ、汗、ペット、食事のバランス、夜型の生活、睡眠時間の減少、ストレスなどが挙げられ、これらの要因を日常生活から除外していくことが大切です。
特に、アトピー性皮膚炎は十分な皮膚バリア機能がまだ備わっていない子どもに多いです。成長とともに、喘息など他のアレルギー症状が生じたり、かゆみのため睡眠障害がおこることもあるため、受診の上、しっかり治療することが重要です。
治療は、①ステロイド外用薬などの薬物療法
②スキンケア
③悪化要因の除去
の3本柱になります。
手湿疹
洗剤や水を多く使用する方や美容師さんなどに多く見られる湿疹です。度重なる水仕事や様々な摩擦・刺激によって、手の皮膚のバリア機構が壊れることでおきます。
症状は、乾燥してカサカサになるタイプと、水疱ができてジュクジュクするタイプがあります。
最も効果的な治療は手の安静ですが、難しい方も多いです。そのような方は、保湿を心がけて皮膚のバリア機構を回復させることが重要です。炎症を起こしている場合は、ステロイド外用薬も有効です。生活習慣と深く関わっているため、継続的に治療し、症状をコントロールしていきましょう。
皮脂欠乏性湿疹(ひしけつぼうせいしっしん)
乾燥肌に炎症が加わって生じる湿疹です。特に、秋~春先にかけて症状を繰り返すことが多いです。脚の外側や肘などによくみられ、強いかゆみを伴います。乾燥肌ではなくても、お風呂でゴシゴシ強く洗うことで皮脂が剥がれ落ち、皮膚のバリア機能が低下して起こります。日々、保湿剤でスキンケアを行い、バリア機能を上げることが予防になります。炎症が起きている場合は、ステロイド外用薬で炎症を抑える治療を行います。
脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)
皮脂の分泌が多い脂漏部位(頭・顔など)に生じる赤い湿疹です。フケを伴うことがあります。これは、皮脂を好む真菌(カビ)が関与しているといわれています。適切な洗顔や洗髪を繰り返すよう心がけることが重要です。抗真菌薬外用剤も有用です。かゆみは一般的には軽度な場合が多いですが、かゆみを伴う場合はステロイド外用薬も使用します。